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旧き中に。
こんにちは。
KITTE丸の内店スタッフの原です。
年末年始は充実した日を過ごすことが出来ましたが、それ故に新年から一週間以上経過していることに本文を書きながら驚きを隠せない私です。
とある深夜番組でタレントのマツコ・デラックスさんが「歳を重ねる毎に一年が過ぎるのが早く感じる」と話されていたことが過り、そういった感覚に近づいていることを少し実感した2019年のスタートでした。
さて。挨拶は軽くに済ませ、ご紹介へと移ろうと思います。
すでにOnline shop, Instagram, Blogにて取り上げられておりますこちら。
Linen Canvas Balcollar Coat ( C.Grey ) 58,000 yen + tax / CONFECT
Linen Canvas Sack Jacket ( C.Grey ) 43,000 yen + tax / CONFECT
Linen Canvas WWB Trousers ( C.Grey ) 30,000yen + tax / CONFECT
1月2日よりリリースしたリネンキャンバス生地を採用した三型。
その風合いは旧き時代のリネンクロスを彷彿させ、C.Greyでありながら光によっては茄子紺にも見えてきます。
強靭でいて、麻らしい涼しげな雰囲気もあるCONFECTが拘り抜いた生地。
本日はこの生地の魅力をご紹介していきます。
今作は「上品さ」をいちテーマとして製作がスタートしていますが、一般的にキャンバス生地の印象は、生地は硬く、多少毛羽があり、ドライなタッチ。
用途では作業着やバッグなどの耐久性を必要とするところからワークウェアなど土臭い印象があるかと思います。
「上品」の定義も一概にこれ。とは言えませんが現代の生地事情では少し上品からは外れてくるのではないでしょうか。
だからこそ、上品とキャンバスという組み合わせは新鮮だと思います。得意とする麻を駆使しCONFECT独自の解釈の下、上品なキャンバス生地を製作しました。
糸は25番手と太い糸を採用。それを限界まで打ち込んだキャンバス生地になります。
縦糸は双糸の強撚糸、横糸は単糸の追撚糸と縦横共に撚りを掛けた糸です。
撚りにより圧縮にも近しい強固な糸が生まれ、糸から飛び出た毛羽も撚りに巻き込むことで滑らかな糸質へと変わります。またリネンの質感も相まることで独特な艶感を感じることができます。
しかし、撚り掛けても多少なりとまだ毛羽は残るものです。その毛羽は薬剤で毛羽を焼き切るシルケット加工を施しております。
このシルケット加工は麻や綿などをシルクのような滑らかなタッチに近づけたい時などに採用され、今作でもキャンバス生地とは思えぬ肌触りを感じていただくことができます。
染色は後染めを採用。
綺麗且つ均等に染色されるよう糸の段階で水に晒し極限まで原色の色抜きを施したホワイトリネンから後染めを行っております。
そこからワッシャー機にてハードな洗いをかけ、タンブラー乾燥をし、ヴィンテージリネンのような面構えにさせていきます。
染色後の加工を経て、大枠は味のあるキャンバスでありながら、細部はリネンらしい艶や柔らかな質感。とワークに偏りすぎず、日常着として難なく着こなせる風合いの生地となっております。
蛇足してしまいますが、キャンバス生地、日本としては帆布は1600年頃に誕生した生地になります。
対してシルケット加工 ( 同意でマーセライズ加工 ) は1950年頃に日本に導入された比較的に新しい技術です。
撚りの話や打ち込み数にも繋がる話ですが、旧きを「彷彿させる」ことは、恐らく現代技術によって形になっている物かと思います。でなければ、彷彿でなく本物のヴィンテージアイテム、もしくは昔も今も製法が一切変わらないアイテムなどになりますから。
今作の生地で言えば、色味の微妙な濃淡の差や太番手の糸、上質なリネンが旧きを感じる。その一方で肌触り、目の詰まり具合などは今の技術でしか表現できないものです。
古いものをリスペクトしつつも、現代着に昇華させることにも気を配り、旧きと新しきのバランスがCONFECTでいう「小さな変化」にあたります。
その小さな変化はディテールや着こなし方だけでなく、生地にも反映されているのです。
上品なキャンバスであれば、「ワーク」だけに嵌まらず、少しドレッシーな匂いを漂わせても良いかと思います。
例えば、先ほどから幾度か載せてますリネンキャンバスコート。その中に着込んでいるのは同時期にリリースしたウエポン生地のバンドカラーシャツになります。
Hard Twist West-Point Band Collar Shirt ( Natural, Khaki ) 21,000 yen + tax / CONFECT
一見、このシャツも身幅の広いリラックスウェアに感じられますが、要所ごとでは衿や前立て、カフスや剣ボロなどシャツらしい真面目さを散りばめられたシャツです。
ゆとりのあるスタイリングに見えて、クリーンな生地と真面目なディテールを掛け合わせる。
正直、一目では分かりにくく自己満足な世界になってしまいますが、それでも見た目だけでなく中身の意味合いを含めてスタイリングを組んでいただくのも宜しいのではないでしょうか。
少なくとも私はそうした着方をするのが好きです。
生地のお話。いかがでしたでしょうか。
生地を通してスタイリングを組むのも楽しいかと思いますので、ここは是非店頭でもご案内させていただければと思います。
本日は以上になります。
ご来店のほど心よりお待ちしております。
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